表示回数:
1093
投稿日:2012/08/20 06:38
【オリジナル】ジルコニアンヴァルキリー
街中の巨大テレビにCMが映る。
「大切な方を亡くされたご遺族の悲しみはとても大きなものです。従来の方法で空から見守るように荼毘に付されるのもよろしいですが、私たちは新しいともらいの形をご提案いたします。大切な方を亡くして心を痛めているご遺族はぜひ一度当社の“メサイア”をお試し下さい。」
テレビの中で男が微笑みながら街行く人々にそう語っていた。
10年ほど前。“公社”が開発した生命活動を終了した人間の肉体を素体とし、金属骨格を埋め込む技術“メサイア”。死者が生前の姿のまま朽ちることなくいつまでも自分の側に居続けてくれる。最大の背徳でありながら最高の魅惑。それはただもういちど死者に会いたいという純粋な気持ちを黒く染め世界を歪めた。
素体にする死体は損壊のないきれいな状態でないとだめだった。またあまりに小さすぎたり、逆にあまりに大きすぎたりすると金属骨格を埋め込む時のサイズ合わせがうまくいかず、不適合素体として処理された。結果的にメサイアを施すのはたいがい成人女性だった。
始めはやはり愛しい自分の恋人や妻、娘などの死があまりに辛過ぎて受け入れることができなかった者が施術した。そのうちそれを利用する客は変化する。若い女性の、それもとびきり美人の死体に金属骨格を埋め込む者が現れ本来とは違う目的で使われだした。そうするとどのような死に方をするかによって施術できるかが変わってしまう自然の死を待つよりも、死体が損壊せず骨格を埋め込むのに都合がよい方法で殺す、すなわち毒殺する者が現れた。
すると若い女性の死体を売りさばくバイヤーが現れバイヤーに死体を売るために殺人を犯すものが後を絶たなくなった。
政府は事態を重く見て一切のメサイアを禁止し、それまでに造られたものについても全て処分することを命じた。
しかし、全ての死体を処分したと見せかけて公社は密かに地下施設で新しい研究と娯楽を始めていた。
死体と死体を戦わせて最強を競う“ヴァルキリーファイト”。世界の歪を内包しながら今日も戦乙女は戦場に舞い降りる。
…という脳内妄想です。N番煎じ/(^q^)\文章が厨二です。
| であ | すごく素敵です。白黒なのに迫力に圧倒されました | 2012/08/24 05:42 |
